ミランへの移籍が決定したフラミニを振り返る

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アーセナル所属のマシュー・フラミニのACミラン移籍が決定しました。
クラブとの契約が今シーズンいっぱいで終了するため移籍金はありません。

Arsenal.com オフィシャルリリース
ACMilan.com オフィシャルリリース(日本語)

「今シーズンの」中心選手だったフラミニは当然キープしたい選手でしたが、
契約最終年で他のクラブと自由に交渉できる以上は仕方ありませんね。

マルセイユからの強引とも言える移籍

フラミニは04/05シーズンにマルセイユから移籍してきました。
ただその経緯には少なからず問題があったことは確かで、
おかげさまで青田買いの悪例としてセスクと共によく槍玉に挙がります。
アーセナルへの移籍経緯は記憶してる範囲では以下のような感じでした。

03/04シーズンにマルセイユでトップチームデビューを飾り、
バレンシアとのUEFAカップ決勝でもスタメンに選ばれる。
 ↓
しかしマルセイユは練習生状態のフラミニに正式なプロ契約をオファーせず。
 ↓
焦れたフラミニが何かあれば電話するよう言われていたベンゲルにコンタクト。
 ↓
プロ契約が無い状態なので移籍金フリーでアーセナルに加入。
(後日マルセイユに違約金か訴訟金を支払うことに)

06/07シーズンオフには移籍が確実視されていました

アーセナル加入後は主に中盤のバックアップとしてベンチ入りしていましたが、
05/06シーズンに左サイドバックが全員故障すると急場しのぎで、
フラミニに白羽の矢が立ち多くの出場機会と高い評価を得ました。

しかし翌06/07シーズンは本人がサイドバックを固辞し、
あくまで中盤の選手としての起用を望んだため、
不動のレギュラーだったセスクとジウベウトとの競争に破れ、
出場機会を大きく減らしてしまいました。

そのため本人は出場機会を求めてシーズンオフに他クラブへの移籍を希望。
ベンゲルとしても出場機会を与えていない選手に対して、
契約の延長を強要することが出来ず移籍を許可しました。

急転直下の残留と突然のブレイク

移籍先としては同じプレミアのバーミンガム等の名前が挙がったんですが、
本人が翻意したのかクラブ間交渉が不調に終わったのか分かりませんが、
急遽07/08シーズンもアーセナルに残留することになりました。

そして迎えた新シーズン、南米選手権で合流が遅れたジウベウトを尻目に、
開幕からハイパフォーマンスを続け一気にポジションを獲得しました。

実質中心選手として活躍したのはこのシーズンだけですが、
ベンゲルに「セスクとフラミニのコンビがこれまでのベスト」と言わせるほどでした。
これまではヴィエラとプティのフレンチコネクションがそう言われていましたね。

フラミニはミランで活躍できるのか


プレーの特長を一言であらわすと「豊富な運動量と激しい守備」になりますが、豊富な運動量は平均年齢の高いミランの中で活きそうですね。また組み立てに絡むパスも非常に上手いので中央ならかなりやれそう、というかアーセナルの影のMVPといえる選手なのでやってくれないと困ります。

ただし激しい守備に関してはプレーを流すことの多いプレミアでも、
その両足タックルはないんじゃないかというシーンが多々ありましたから、
イタリアではファウルを取られてピンチを招くことが非常に多くなりそう。

そしてシーズンを通して出場したのは今シーズンが初体験ですから、
来シーズンどんなコンディションで戦えるのか未知数なところがありますね。
そういう意味ではEURO2008のメンバーには入らないほうがよさそうな・・・。

新シーズンに向けたアーセナルの補強に期待

主力をフリートランスファーで手放すことになったことで、
アーセナルの不手際を責める声もありますが、
昨シーズンの経緯を考えると契約を更新しないまま
最終年を迎えてしまったのもしょうがない気がしますね。

それにフラミニ自身がこういった状況を望んで作り出し、
ミラン戦のパフォーマンスで自ら移籍を勝ち取ったともいえると思います。

アーセナルとしては残った選手をキープすることと、
フラミニの代役を見つけることが急務になります。

シーズン終盤でようやく調子を戻したジウベウトの動向次第ですが、
個人的にはセスク+フラミニでの高さ不足が気になっていたので、
出来れば献身的な守備ができ尚且つ高さのある選手がいいですね。
だから噂に上がっているガットゥーゾは少し違うかなと。

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